FIRE後、給料がなくても大丈夫?収入ゼロの恐怖を克服する方法
投稿日:カテゴリ:FIRE
この記事のポイント
FIREに必要な資産額は達成したはずなのに、「毎月の給料がなくなる」という事実を考えると、怖くて退職に踏み切れない…。そんな精神的な壁に悩んでいませんか。資産があっても定期収入がゼロになることへの不安は、多くの人が抱える自然な感情です。この記事では、その不安の正体と、それを和らげて安心して早期退職するための、具体的な考え方や仕組みづくりを解説します。これを読めば、経済的な自立だけでなく、精神的な自立への道筋も見えてきます。
「給料がなくなるのが怖い…」資産はあっても収入ゼロという不安
FIREの目標資産額を達成したにもかかわらず、退職に踏み切れない最大の理由の一つが、「収入がゼロになる」という心理的な恐怖です。私たちは長年、「毎月決まった日に給料が振り込まれる」という安定したキャッシュフローの中で生きてきました。
これがなくなることで、たとえ十分な資産があっても、「これから資産が減っていくだけの生活が始まる」という事実に強い不安を感じるのです。頭では「4%ルールで計算上は大丈夫なはずだ」と分かっていても、心がその変化を受け入れられない。
この、資産を「貯める」モードから「使う」モードへの切り替えに対する精神的な抵抗こそが、「もう少しだけ働けばもっと安心できるはず」と、あなたをFIREの決断から遠ざけている本当の原因かもしれません。
給与収入がもたらす心理的な安心感とは
十分な資産があっても「収入ゼロ」が怖いのは、給与収入が私たちに与えてくれていた、お金以上の価値を失うことへの不安だからです。その価値の第一は、「予測可能性」です。毎月決まった日に、安定した金額が振り込まれるという事実は、「来月も生活できる」という強力な精神的な支えとなります。日々の価格変動にさらされる投資資産からの収入とは、安心感が全く異なります。
第二に、給与は労働の対価であり、自分が社会に貢献しているという実感や、所属意識を与えてくれます。FIREでこの定期収入を絶つことは、こうした長年慣れ親しんだ精神的な安定基盤を、自ら手放す行為でもあるのです。この不安は、決して不合理なものではありません。
対策①:資産から自分に「給料」を支払う
給料がなくなる不安を和らげる最も効果的な対策が、資産から自分自身へ、毎月定額の「給料」を支払う仕組みを作ることです。具体的には、まず①投資用口座とは別に、生活費1〜2年分を入れた②給与バッファ用銀行口座を用意します。そして、年に一度だけ、①から②へ1年分の生活費をまとめて移します。
あとは、毎月決まった日に、この②の口座から、あなたが普段使う③の生活費口座へ、1ヶ月分の生活費を「給料」として振り込むのです。この仕組みにより、あなたの日常では「毎月定額の収入がある」という会社員時代と同じ感覚を維持できます。
投資資産に直接手を付ける回数も年一回で済むため、「資産が減っていく」という感覚も薄れ、精神的に非常に安定します。
対策②:「サイドFIRE」で収入をゼロにしない
収入がゼロになることへの不安に対する、もう一つの直接的な解決策が「サイドFIRE」です。これは、会社員などの本業は退職するものの、完全に労働から離れるのではなく、自分の好きなことや、負担の少ない仕事で、少額の収入を得続けるというスタイルです。
目的は、生活費の全てを稼ぐことではありません。例えば、月5万円でも安定した収入があれば、生活の基盤はその収入で賄い、資産の取り崩しをせずに済みます。
この「収入がゼロではない」という事実が、精神的な安心感に大きく貢献します。また、資産を減らさずに済むため、複利で資産をさらに増やし続けることも可能です。
完全なリタイアへの、精神的な「助走期間」としても非常に有効な選択肢です。
対策③:配当金で定期的なキャッシュフローを作る
資産の元本を取り崩すことに抵抗がある場合、資産が生み出す現金収入(キャッシュフロー)を中心に生活を組み立てる、という方法があります。そのために、ポートフォリオの一部を、定期的に収入を生む資産に振り向けます。代表的なのが高配当株式です。安定した企業からの配当金は、年に数回、給料のように振り込まれます。
また、複数の不動産からの家賃収入を元にした不動産投資信託(REIT)も、比較的安定した分配金収入が期待できます。
これらの資産からの収入だけで生活費の全てを賄うのは難しいかもしれませんが、生活費の一部でも補うことができれば、資産本体を取り崩すペースを遅らせることができます。
そして、「自分の資産が収入を生み出している」という感覚は、収入ゼロへの恐怖を和らげる効果があります。
段階的な移行で、収入ゼロの不安に慣れる
収入ゼロへの恐怖を和らげる最後の対策は、退職を「ある日突然」のイベントではなく、「段階的なプロセス」と捉えることです。正社員としてフルタイムで働く状態から、いきなり収入ゼロの生活に移行するのは、精神的な変化が大きすぎます。そこで、例えば退職前の1〜2年間を「移行期間」と位置づけ、まず労働時間を減らす(例:週3日勤務にする)ことから始めます。
これにより、給与収入は減りますが、ゼロにはなりません。そして、減少した収入分を、実際に資産から補うという練習をしてみるのです。
この期間を通じて、資産を取り崩すという行為に慣れ、自分の計画が機能するかを低リスクで試すことができます。この助走期間があれば、完全に収入がゼロになる最終的な退職への、心理的な抵抗感を大きく減らすことが可能です。
行動へのステップ
1.まず、資産額の計算とは別に、「給料がなくなること」自体に心理的な不安を感じるのは自然なことだと認めましょう。
2.「投資口座」「給与バッファ口座」「生活費口座」の3つの口座を使った、自分に給料を支払う仕組みを紙に書き出してみましょう。
3.あなたが楽しみながら、月数万円の収入を得られそうな「サイドFIRE」のアイデアを3つ考えてみましょう。
4.ご自身の投資ポートフォリオが、年間にどれくらいの配当金や分配金を生み出しているかを計算してみましょう。
5.いきなり退職するのではなく、労働時間を減らす「移行期間」を設けるとしたら、どんなスケジュールが可能か考えてみましょう。


















