【FIREの不安解消】突然の出費で計画が破綻しないための資金管理術
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この記事のポイント
FIRE後の生活費は計算できても、「車の買い替え」や「家の修繕」といった数年に一度の大きな支出まで、計画できていますか。この記事では、毎月の生活費とは別に発生する、こうした特別な支出にどう備えるかを解説します。突発的な出費で大切な資産を大きく取り崩すことがないよう、計画的に資金を準備する方法を知れば、あなたのFIRE計画はより盤石なものになります。
「突然100万円が必要になったら…」計画を壊す、大きな一回的支出の恐怖
FIREの資金計画を立てる際、毎月の生活費は計算に入れても、数年おきに発生する「大きな臨時支出」を見落としがちです。例えば、車の買い替え費用、住宅の修繕費、子供の結婚祝いなど、一度に100万円以上が必要となるイベントです。これらの支出は、毎月の生活費の取り崩しとは別に、まとまった資金を用意しなければなりません。
もし、その時に慌てて投資資産を大きく売却すれば、4%ルールのような持続可能な取り崩し計画は崩壊します。特に、株価が下落しているタイミングで大きな金額を引き出すことになれば、資産寿命に致命的なダメージを与えかねません。
この「予測可能だが、不定期な巨額支出」にどう備えるか。この問題こそが、FIRE計画の現実性を左右する、隠れた、しかし非常に重要な論点なのです。
大きな臨時支出がFIRE計画を脅かす理由
FIRE計画の基本である「4%ルール」は、あくまで毎月の食費や光熱費といった、定額で発生する生活費を賄うための考え方です。ここに、車の買い替え費用200万円のような、大きな臨時支出が入り込むと、計画は大きく狂います。もし、5000万円の資産から、生活費200万円(4%)に加えて、車の費用200万円を引き出すと、その年の取り崩し率は倍の8%になってしまいます。
特に、この大きな取り崩しが、株価の下落局面で行われると、安い価格で多くの資産を売却することになり、資産寿命に致命的なダメージを与えます。
この「計画外の大きな支出」こそが、リターンの順序リスクを最大化させ、FIRE計画を破綻させる引き金となり得るのです。
対策①:予測可能な「ライフイベント費」を計画する
大きな臨時支出への対策の第一歩は、それらを「想定外」ではなく、「予測可能なライフイベント」として事前にリストアップすることです。あなたのFIRE後の人生で起こりうる、大きな支出を想像し、その費用と時期の目安を書き出してみましょう。
例えば、①車の買い替え(15年後に200万円)、②住宅の修繕*20年後に150万円)、③家電の買い替え(10年ごとに50万円)、④子供の結婚など家族のイベント(〇年後に100万円)といった具合です。
もちろん、これらは正確な予測ではありませんが、計画を立てる上での重要な仮定となります。この作業により、漠然としていた「大きな出費」という不安が、「いつ頃、いくら必要」という、対処可能な具体的な課題に変わるのです。
対策②:目的別の貯金箱「シンキングファンド」を作る
予測可能な大きな支出に対しては、「シンキングファンド(目的別貯金)」という考え方で備えます。これは、将来の特定の支出のために、毎月コツコツと資金を積み立てていく手法です。例えば、「10年後に200万円の車の買い替え」という目標があれば、毎月約1万7千円を「車用」として別に貯めていきます。この月々の積立額を、FIRE後の年間支出計画にあらかじめ組み込んでおくのです。
こうすることで、10年後に200万円という大きな出費が突然発生するのではなく、毎月の管理可能なコストとして平準化できます。これにより、FIRE計画の核である投資資産を、大きく取り崩すリスクを防ぐことができるのです。
専用の銀行口座を作って管理するのがおすすめです。
対策③:本当の不測の事態に備える「生活防衛資金」
車の買い替えなど、ある程度予測できる大きな支出は「シンキングファンド」で備えます。しかし、人生には、病気や事故、災害といった、全く予測できない緊急事態も起こり得ます。
こうした本当の不測の事態に備えるのが「生活防衛資金」です。これは、生活費の半年分から2年分程度を、いつでも使える現金預金として別に確保しておくものです。
この2つの資金は、目的が全く異なります。シンキングファンドは「計画的な支出のための貯金」、生活防衛資金は「計画外の危機に対応するための資金」です。
車の買い替えに、生活防衛資金を使ってはいけません。この2つの防衛ラインをしっかりと分けておくことで、あなたのFIRE計画は、非常に安定したものになります。
結論:計画的な準備で「想定外」をなくす
大きな支出への不安は、「想定外」であることから生まれます。これを解決する鍵は、計画的な準備によって、できるだけ多くの支出を「想定内」に変えることです。FIRE後の資金は、①毎月の生活費を生み出すための「投資資産」、②数年ごとに発生する、予測可能な大きな支出に備える「目的別貯金(シンキングファンド)」、③予測不能な緊急事態のための「生活防衛資金」という、少なくとも3つの役割に分けて管理しましょう。
この資金の役割分担が、あなたのFIRE計画を、単なる数字の計算から、現実の人生の変動に耐えうる、強固で柔軟なシステムへと進化させます。準備を万全にすることで、不安は自信に変わります。
行動へのステップ
1.あなたの人生で、今後20年間に起こりうる、大きな支出イベント(車の買い替えなど)をリストアップしてみましょう。
2.リストアップした各項目について、おおよその必要金額と、それが何年後に必要になるかを書き出してみましょう。
3.そのうちの一つ(例:10年後に200万円の車)について、必要な毎月の積立額(200万円÷120ヶ月)を計算してみましょう。
4.この毎月の積立額を、あなたのFIRE後の年間支出計画に、固定費として組み込むことを検討しましょう。
5.この「予測可能な支出への積立(シンキングファンド)」と、「予測不可能な危機への備え(生活防衛資金)」は、目的が違う別の資金であることを明確に区別しましょう。


















