会社員の「社会的信用」を、退職前に最大限活用する方法

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カテゴリ:FIRE

この記事のポイント

FIREを目指す上で、資産額と同じくらい重要なのが「社会的信用」です。「会社を辞めたら、ローンが組めないのでは?」という不安を感じていませんか。この記事では、退職によって生じる社会的信用の変化と、それに伴う具体的なリスク(ローン・カード審査など)を解説。その上で、退職「前」に必ずやるべき対策を具体的にお伝えします。これを読めば、将来の信用に関する不安を解消し、安心してFIRE準備を進められます。


「資産はあるのに、ローンが組めない…」会社員という信用の喪失

FIREを達成すれば、お金の自由は手に入ります。しかし、その代償として、会社員という身分がもたらす「社会的信用」を失うのではないか、という大きな不安が生まれます。

たとえ数千万円の資産があっても、「安定した給与収入」という証明がなければ、金融機関からの評価は大きく下がってしまうのが現実です。

「将来、家を買いたくなっても、住宅ローンは組めないかもしれない」「新しいクレジットカードの審査に通らないのでは」「子供の教育ローンや、賃貸物件の契約すら断られるかもしれない」。

こうした、お金があるだけでは解決できない信用の問題は、FIREを目指す上で見落とされがちですが、生活の様々な場面であなたの自由を制限する、非常に現実的な壁となり得るのです。

なぜ会社員は「社会的信用」が高いのか

ローンやクレジットカードの審査において、「社会的信用」とは、主に「収入の安定性」を指します。

金融機関が最も重視するのは、「将来にわたって、毎月きちんと返済してくれるか」という点です。その点で、会社員(特に正社員)は、毎月決まった額の給与が保証されているため、信用力が非常に高いと評価されます。

一方で、FIRE達成者の収入源である資産の取り崩しや配当金は、相場によって変動するため、「不安定な収入」と見なされがちです。たとえ資産が1億円あっても、それが来年も同じ価値である保証はありません。

この「収入の安定性」という評価基準の違いが、会社員とFIRE達成者の社会的信用の差を生み出している根本的な理由なのです。

FIRE後に直面する「信用の壁」の具体例

会社員でなくなると、具体的にどのような場面で信用の低下を実感するのでしょうか。

①住宅ローン:FIRE後に家を買おうとしても、安定した給与収入がないため、住宅ローンの審査に通るのは非常に難しくなります。

②新規クレジットカード:既に持っているカードは使い続けられますが、新しいカードを作る際の審査は、会社員時代よりも格段に厳しくなる可能性があります。

③賃貸契約:家を借りる際の入居審査で、定職がないことが不利に働く場合もあります。

これらの審査は、資産額の多さよりも、「毎月安定した収入があるか」を重視する傾向があるために起こる問題です。FIREを計画する上では、こうした金融・不動産契約における現実も、知っておく必要があります。

対策①:退職「前」に必要な契約を済ませる

FIRE後の信用の壁を乗り越える、最も重要で効果的な対策は、「会社員であるうちに、必要な契約を全て済ませておく」ことです。

会社員という身分は、金融機関からの信用が最も高い状態です。この「信用力」を、退職前に最大限に活用しましょう。

具体的には、①住宅ローン:将来マイホームの購入を考えているなら、ローン契約は必ず退職前に済ませます。

②クレジットカード:現在保有しているカードを見直し、必要であれば、ステータスの高いカードや、新しいカードを複数枚、在職中に申し込んでおきます。

③賃貸契約:FIRE後の住み替えを計画しているなら、その契約も退職前に済ませておくと安心です。

退職届を出す前に、将来の人生設計を見据え、必要な契約をリストアップし、実行することが重要です。

対策②:法人を設立して「代表者」になる

FIRE後の社会的信用を維持するための、より積極的な方法として、小さな会社(マイクロ法人)を設立するという選択肢もあります。

これは、自分自身を代表者とする法人を設立し、その法人から自分へ、毎月定額の「役員報酬」を支払う、というものです。これにより、あなたの身分は「無職」ではなく、「会社役員」となります。

たとえ報酬額が少なくても、毎月安定した収入があるという証明になるため、クレジットカードや賃貸の審査において、信用度が大きく向上する可能性があります。

ただし、法人の設立・維持には、登記費用や税務の手間といったコストと専門知識が必要です。実行を検討する際は、必ず税理士などの専門家に相談しましょう。

これは、全ての人におすすめできる方法ではありませんが、強力な対策の一つです。

結論:事前の準備がすべて

FIRE後の社会的信用の問題は、資産額だけでは解決できない、非常に重要な課題です。しかし、この問題は、事前の計画と準備によって、ほぼ完全に解決することが可能です。

最も重要な心構えは、「会社員であるうちに必要な契約を全て済ませる」ということです。あなたの信用力が最も高いのは、間違いなく会社に在籍している間です。

将来、家を買う計画や、新しいクレジットカードが必要になる可能性があるのなら、必ず退職前に手続きを完了させましょう。

FIREとは、単にお金を貯めることではありません。退職後の人生を見据え、こうした社会的な手続きも含めて、周到に準備を進める計画そのものなのです。

この準備を怠らないことこそが、安心してFIREを達成するための鍵です。

行動へのステップ

1.まず、会社員という身分が、ローンなどの審査において「社会的信用」として機能していることを認識しましょう。
2.あなたがFIREした後、将来的に必要になる可能性のある大きな契約(住宅ローン、車のローン、クレジットカードなど)をリストアップしてみましょう。
3.そのリストの中で、退職前に契約を済ませておくべきものを決め、「FIRE前のやることリスト」を作成しましょう。
4.特に、クレジットカードについては、年会費無料のものを中心に、在職中に複数枚作成しておくことを検討しましょう。
5.もし将来、賃貸物件に住み替える可能性があるなら、FIRE後には入居審査があることを念頭に、資金計画を立てましょう。

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