TradingViewのPineスクリプトで簡単なオリジナルインジケーターを作る方法
投稿日:カテゴリ:TradingView
この記事のポイント
「自分だけのオリジナルなインジケーターを作ってみたい」と思ったことはありませんか。TradingViewの「Pineスクリプト」を使えば、プログラミングの知識が少なくても、あなたの取引アイデアを形にできます。この記事では、Pineスクリプトとは何か、という基本から、簡単なインジケーターを実際に作成するまでの最初のステップを解説します。
「自分だけのインジケーターを作りたい…」でもプログラミングは難しそう
「こんなインジケーターがあったら便利なのに」と考えたことはありませんか。TradingViewには、そんなあなたのアイデアを形にするための「Pineスクリプト」という機能があります。しかし、チャート下部の「Pineエディタ」を開いた瞬間、ずらりと並んだ見慣れないコードを見て、「これは自分には無理だ」と、そっと閉じてしまった経験を持つ方も多いでしょう。
「プログラミング」という言葉には、どうしても専門的で難しいイメージがつきまといます。何年も勉強しなければ、チャートに線一本すら引けないのではないか、と考えてしまうのも無理はありません。
しかし、Pineスクリプトは、トレーダー自身が分析ツールを作ることを目的に開発された、比較的シンプルな言語です。
Pineスクリプトとは何か?
Pineスクリプトとは、TradingViewが開発した、チャート分析に特化したオリジナルのプログラミング言語です。その一番の特徴は、プログラマーではない、普通のトレーダーでも扱いやすいように設計されている点です。一般的な言語とは異なり、「ローソク足の終値」や「移動平均線」といった、分析でよく使う要素を簡単に呼び出すための命令文が最初から用意されています。
利用者は、TradingViewのチャート画面下部にある「Pineエディタ」という専用の入力画面に、この言語で書かれた指示(コード)を書き込みます。
そして「チャートに追加」ボタンを押すことで、その指示通りのオリジナルインジケーターを、自分のチャート上に表示させることができるのです。まさに、トレーダーのための言語と言えます。
Pineエディタの開き方と基本画面
Pineスクリプトを記述する場所は、「Pineエディタ」と呼ばれます。このエディタは、TradingViewのチャート画面の下部に隠れています。画面の下端に、「株式スクリーナー」や「取引パネル」などのタブが横に並んでいるのを確認してください。その中にある「Pineエディタ」というタブをクリックすると、画面下からコードを書き込むためのウィンドウがせり上がってきます。
エディタの上部には、「保存」や「チャートに追加」といった、操作のためのボタンが並んでいます。特に「チャートに追加」は、あなたが書いたスクリプトを実行して、実際にインジケーターとして表示させるための最も重要なボタンです。
まずは、このPineエディタを開いたり閉じたりする操作に慣れましょう。
最初のスクリプト:単純移動平均線を表示してみる
いよいよ、最初のスクリプトを書いていきます。Pineエディタを開き、中身を空にしてください。そして、以下の3行を、一字一句そのまま入力します。1行目:`//@version=5` これは、使用するPineスクリプトのバージョンを指定するお決まりの宣言です。
2行目:`indicator(“My First SMA”, overlay=true)` これは、これから作るものが「My First SMA」という名前のインジケーターで、チャートに重ねて(overlay=true)表示することを定義します。
3行目:`plot(ta.sma(close, 20))` これが本体です。「plot」は線を描く命令、「ta.sma(close, 20)」は「終値(close)を使い、期間20の単純移動平均線(sma)を計算せよ」という意味です。
この3行だけで、インジケーターは完成します。
スクリプトをチャートに追加し、動作を確認する
Pineエディタに3行のコードを書き終えたら、それを実行してチャートに表示させましょう。エディタの上部にある、青い「チャートに追加」ボタンをクリックしてください。もし、コードが正しく入力されていれば、エディタが自動的に閉じ、メインチャートの上にあなたが指示した通りの移動平均線が描画されます。
チャート左上には、あなたが名付けた「My First SMA」という名前も表示されているはずです。
もし、クリックした際にエディタの下部に赤いエラーメッセージが表示された場合は、コードのどこかが間違っています。
メッセージに書かれている行番号をヒントに、前の章のコードと見比べながら、スペルミスなどがないかを確認し、修正してから再度「チャートに追加」を押してください。
スクリプトの数値を変更・保存する方法
作成したインジケーターの設定値を変更するのも、コードを直接編集することで行います。例えば、移動平均線の期間を20から50に変えてみましょう。
再びPineエディタを開き、3行目のコード `plot(ta.sma(close, 20))` の、数字の`20`を`50`に書き換えます。そして、エディタ上部の「チャートで更新」ボタンを押してください。
チャート上の線が、より緩やかな50期間移動平均線に変化します。最後に、このスクリプトを保存しましょう。「保存」ボタンを押し、好きな名前を付けて保存します。
保存したスクリプトは、「開く」ボタンの中の「マイスクリプト」からいつでも呼び出すことができます。これが、インジケーターを自作し、改良していくための基本的な流れです。
行動へのステップ
1.TradingViewのチャートを開き、画面下部の「Pineエディタ」タブをクリックしてみましょう。
2.エディタ内に既にある文字を全て消去し、まっさらな状態にしましょう。
3.この記事で紹介した3行のコード(バージョン指定、indicator、plot)を、一字一句間違えずに正確に入力してみましょう。
4.エディタ上部の「チャートに追加」ボタンをクリックし、あなたの書いたコードが移動平均線としてチャートに表示されることを確認しましょう。
5.エディタに戻り、コード内の数字を「20」から「50」に変更し、「チャートで更新」ボタンで線が変化することを体験しましょう。



















