FIRE後の生活費、どう管理する?支出コントロールの重要性
投稿日:カテゴリ:FIRE
この記事のポイント
FIREを目指して資産計算をしたものの、「本当にこの計画で大丈夫だろうか」と、将来のお金に対する不安を感じていませんか。この記事では、FIRE達成者が抱える「資産が尽きてしまうかもしれない」という不安の正体を、具体的なリスクと共に解説します。その上で、インフレや株価暴落といった不測の事態に備え、より安心して早期退職を実現するための、実践的な対策と考え方を紹介します。これを読めば、あなたのFIRE計画の弱点を補強し、自信を持って目標に向かうことができます。
「計算上は足りるはずなのに…」FIRE後の資産への尽きない不安
FIREの目標額として知られる「年間支出の25倍」という数字。これを達成したとしても、「本当にこの資産だけで、残りの人生を安心して暮らせるのだろうか」という不安は、簡単には消えません。なぜなら、私たちの人生には、計算式では測れない多くの不確実性が存在するからです。
「もし、退職直後に株価が大暴落したら?」
「もし、歴史的なインフレで物価が上がり続けたら?」
「もし、自分や家族が大きな病気をして、計画外の医療費が必要になったら?」
このような「もしも」を考え始めると、ただの計算で導き出された目標額が、非常に心もとないものに感じられてしまいます。
この、数字だけでは埋められない将来への不安こそが、多くの人をFIREの決断から遠ざけている最大の要因と言えるでしょう。
FIRE計画に潜む3つの大きな不確実性
FIRE計画の数字に確信が持てない不安は、主に3つのコントロール不可能なリスクから生じます。①市場のリスク:「4%ルール」は過去の平均であり、あなたの退職直後に大暴落が来ない保証はありません。資産が減った初期に引き出しを始めると、計画より早く資金が尽きる可能性があります。
②インフレのリスク:計画で想定した以上の物価上昇が長く続けば、生活費が増加し、資産の実質的な価値は減っていきます。
③人生のリスク:自分や家族の病気、介護など、予測できない大きな支出は誰にでも起こり得ます。これらの不確実性を無視して、単純な計算だけで安心するのは危険です。
リスク対策①:「4%ルール」を柔軟に運用する
市場のリスクに対応するための最初の対策は、資産の取り崩しルールを柔軟にすることです。有名な「4%ルール」を、毎年必ず4%を引き出すという固定的なルールとして捉えるのは危険です。特に、退職初期の株価下落時にこれを行うと、資産寿命を大きく縮めてしまいます。そこで、「動的な引き出し戦略」を取り入れます。
これは、市場の成績が良い年には計画通り4%を引き出し、成績が悪く資産が減った年には、引き出し率を3%に下げる、といったように、状況に応じて生活費を調整する考え方です。
この一時的な支出の抑制が、資産が回復するための時間を稼ぎ、結果として資産を長持ちさせることに繋がります。ルールに縛られるのではなく、状況に応じて柔軟に対応することが、計画の成功率を高めます。
リスク対策②:資産目標に余裕を持たせる考え方
計画自体に「余裕」を持たせることも、不安を解消する重要な対策です。一つ目は、目標設定を厳しくすることです。4%ルールではなく、より安全な3.5%ルール(年間支出 ÷ 0.035)で資産目標を設定すれば、計画の安全マージンは大きく増します。
二つ目は、1〜2年分の生活費を現金で確保しておくことです。株価暴落時に、資産を売らずにこの現金で生活することで、資産を守れます。
三つ目は、完全にリタイアするのではなく、好きなことで少額の収入を得る「サイドFIRE」という選択肢です。月数万円の収入があるだけで、資産の取り崩しペースを大幅に遅らせることができ、精神的な安心感にも繋がります。
これらのバッファを計画に組み込むことで、不測の事態への耐性が格段に高まります。
リスク対策③:支出を柔軟にコントロールする
FIRE計画の成否を決めるのは、資産額だけではありません。もう一つの重要な要素が「支出」です。支出を柔軟に管理できれば、計画の安全性は大きく向上します。そのために、まずはご自身の支出を「生活に必須なもの(家賃、食費など)」と、「裁量的なもの(旅行、趣味など)」に分けて把握しておきましょう。
そして、もし市場が不調で資産が減っている年には、意識的に「裁量的な支出」を減らす、というルールを設けます。
この「いざとなれば支出を減らせる」という選択肢があるだけで、資産が尽きるリスクを大幅に低減でき、精神的な安心感が得られます。
FIRE後の生活を豊かにするためにも、支出のコントロールは不可欠なスキルです。
不安を乗り越え、自信の持てるFIRE計画へ
FIREの資産が足りるかという不安は、計画が具体的であるほど大きくなる自然な感情です。大切なのは、その不安を具体的な対策によって解消していくことです。これまで見てきたように、①引き出しルールを柔軟にする、②目標資産額にバッファを持たせる、③サイドFIREで収入源を確保する、④支出をコントロールする、といった複数の安全策を組み合わせることで、あなたの計画はより強固なものになります。
FIRE計画とは、一つのゴール金額を目指すだけでなく、予期せぬ事態が起きても対応できる、回復力のあるシステムを構築することです。これらの対策を盛り込んだ、あなただけの計画を立てることで、漠然とした不安は、目標達成への自信へと変わるはずです。
行動へのステップ
1.まず、自身の現在の年間支出を計算し、「年間支出 × 25」で基本的なFIRE目標額を算出してみましょう。
2.次に、より安全な「年間支出 ÷ 0.035」(約3.5%ルール)でも計算し、目標額にどれくらいの差が出るかを確認しましょう。
3.ご自身の支出を、「必須の支出」と「裁量的な支出」に書き出して分けてみましょう。
4.もし完全にリタイアしない場合、どんな好きなことで月数万円の収入を得られる可能性があるか、考えてみましょう(サイドFIRE)。
5.これらの要素を基に、株価が下落した年に「どう行動するか」という、あなただけの柔軟なルールを文章にしてみましょう。

















