複利と単利の違いとは?なぜ、1日も早く複利で投資を始めたほうが良いのか?

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カテゴリ:ゼロからの資産構築

この記事のポイント

資産形成を学ぶ上で、誰もが耳にする「複利」という言葉。その重要性は知っていても、「単利」との違いや、なぜお金が増えるのか、その仕組みを正確に説明できますか。この記事では、資産形成の核となる「複利」の力を、具体的な計算例を交えながら解説します。これを読めば、時間を味方につけて資産を増やす、最も基本的な原則を理解することができます。


「貯金しても、お金が増えない…」単利と複利の大きな違い

毎月真面目に貯金をしているのに、一向にお金が増えている実感が湧かない。その最大の理由は、あなたが「単利」の世界にいるからです。

単利とは、元本にしか利息がつかない仕組みです。現在の超低金利と合わさることで、銀行預金では資産はほとんど増えません。

一方で、資産を築いている人々が活用しているのが、「複利」というお金の増やし方です。複利の世界では、利益が新たな利益を生み、時間と共に資産の増加ペースが速まっていきます。

この「単利」と「複利」という、根本的な仕組みの違いを知らないと、なぜ資産形成が必要なのかを本当に理解することはできません。

「単利」と「複利」の仕組みの違い

お金の増え方には、「単利」と「複利」の2種類があり、その仕組みは根本的に異なります。

①単利とは、最初に預けた「元本」に対してのみ利息がつく方法です。例えば、100万円を年利5%の単利で預けると、毎年もらえる利息はずっと5万円のままです。

②複利とは、元本にその年ついた利息を加え、翌年はその合計額に対して利息がつく方法です。つまり、「利息が、次の新たな利息を生む」のです。この仕組みにより、複利では、年を追うごとに受け取る利息の額が増えていきます。

現在の銀行預金は、超低金利のため、どちらの方式でもほとんど増えませんが、資産形成で目指すのは、この複利の効果を最大限に活用することです。

複利の計算例:単利との比較

単利と複利の違いを、具体的な計算例で見てみましょう。仮に、100万円を年率10%で3年間運用した場合を考えます。

単利の場合、利息は常に元本の100万円に対して計算されるため、毎年10万円ずつ増えます。3年後の資産は、元本100万円+利息30万円で、合計130万円です。

一方、複利の場合、1年後の110万円が、2年目の元本になります。そのため、2年目の利息は11万円、3年目の利息は12万1千円と、毎年増えていきます。結果、3年後の資産は*133万1千円となり、単利と比べて3万1千円も多くなります。

この小さな差が、次の章で見るように、長い年月をかけて巨大な差となるのです。

複利の力を最大化する「時間」の重要性

複利の効果を最も大きく左右する要素、それは「時間」です。運用する期間が長ければ長いほど、利益が利益を生む効果は加速度的に大きくなります。

例えば、100万円を年率5%で運用した場合、10年後には約163万円ですが、30年後には約432万円、40年後には約704万円になります。後半になるにつれて、資産の増えるスピードが速くなっているのが分かります。

この「時間を味方につける」という考え方が、資産形成では非常に重要です。だからこそ、専門家は口を揃えて「資産形成は、一日でも早く始めるべきだ」と言うのです。

始めるのが遅れるほど、この強力な時間の効果を、あなたは失ってしまうことになります。

複利の効果を得るための具体的な方法

複利の効果を実際に得るためには、銀行預金ではなく、「投資」の世界に一歩踏み出す必要があります。

初心者にとって最も始めやすい方法は、NISA口座を開設し、低コストのインデックスファンドを毎月一定額、積み立てていくことです。

そして、複利を働かせる上で絶対に欠かせないのが、投資から得た利益(分配金)の「再投資」です。

多くの投資信託には、受け取った分配金を自動で再投資してくれる仕組みがあります。この設定を選ぶことで、あなたの利益が、次の新たな利益を生み出すという複利のサイクルが、自動で回り始めます。

この「NISA」「インデックスファンド」「積立」「再投資」が、複利を味方につけるためのキーワードです。

複利と正しく付き合うための注意点

複利は強力な味方ですが、注意点もあります。

第一に、複利は借金にも適用されるということです。高い金利の借金は、複利によって返済額が急速に増えていきます。資産形成を始める前に、まずはこうしたマイナスの複利をなくすことが重要です。

第二に、投資のリターンは毎年一定ではないということです。計算例で使った「年率5%」のようなリターンは、あくまで長期的な平均値です。現実の市場は、プラスになる年もあれば、マイナスになる年もあります。

複利の効果を正しく得るためには、短期的な価格の変動に一喜一憂せず、長期間、積立投資を継続する強い意志が必要となります。

行動へのステップ

1.「単利」は元本にだけ、「複利」は元本と利息の合計に利息がつく、という基本的な違いを理解しましょう。
2.インターネットで「資産運用シミュレーション」と検索し、複利の計算ができるツールを見つけましょう。
3.シミュレーターに、「毎月3万円」「想定利回り5%」「積立期間30年」と入力し、将来の資産額がいくらになるかを確認してみましょう。
4.次に、積立期間だけを「20年」に変更し、結果がどれだけ少なくなるかを見て、時間の重要性を実感しましょう。
5.複利の効果を得るために、NISA口座で分配金を再投資する設定のインデックスファンドを積み立てる、という具体的な行動計画を立てましょう。

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