TradingViewの株価は遅延している?リアルタイムデータと遅延の違いを解説

最終更新日:
カテゴリ:TradingView

この記事のポイント

TradingViewで見ている株価が、本当に「今」の価格なのか、気になったことはありませんか。チャートの銘柄名横に表示される「D」マークの意味が分からず、不安に感じている方もいるでしょう。実は、TradingViewのデータには、リアルタイムで更新されるものと、15分程度遅れて表示されるものが存在します。この記事では、その違いと、自分の見ているデータがどちらなのかを判別する方法、そして全てのデータをリアルタイムにする手順を解説します。これを読めば、常に正確な価格情報で分析できるようになります。


「この株価、本当に今の価格?」データの遅延がもたらすリスク

TradingViewでチャートを眺めている時、「この価格は、本当に今この瞬間のものなのだろうか?」と疑問に感じたことはありませんか。

特に、銘柄名の横にオレンジ色の「D」というマークが表示されている時、その意味が分からずに不安になる方も多いでしょう。この「D」は「遅延(Delayed)」を意味しており、あなたが見ている価格が15分以上前の古い情報であることを示しています。

これを知らずに、特にデイトレードのような短期売買を行うと、致命的な判断ミスにつながりかねません。今の価格だと思って買い注文を出したら、実際の価格はもっと高かった、という事態も起こり得ます。

なぜFXや仮想通貨はリアルタイムなのに、株式のデータは遅延するのか。その仕組みと理由を正しく理解しない限り、不正確な情報で分析しているかもしれないという不安は拭えません。

リアルタイムデータと遅延データの基本的な違い

TradingViewで扱うデータには、大きく分けて「リアルタイムデータ」と「遅延データ」の2種類があります。

まず「リアルタイムデータ」とは、取引所で売買が成立した瞬間の価格が、ほぼ遅れることなく、あなたのチャートに直接届く情報のことです。

一方で「遅延データ」とは、実際の取引から15分や20分など、意図的に時間を遅らせて表示される情報です。つまり、あなたが見ている価格は、少し前の過去の価格ということになります。

この違いが生まれる理由は、多くの証券取引所にとって、リアルタイムの株価情報が、彼らが販売する有料の「商品」だからです。

そのため、無料で利用できるTradingViewの基本プランでは、一部の株式市場のデータが遅延して提供される仕組みになっているのです。

データがリアルタイムか遅延かを確認する方法

あなたが見ているデータがリアルタイムか遅延しているかは、チャート画面で一瞬で見分けることができます。

チャート画面の左上、表示されている銘柄シンボル(例:「TSE:7203」)のすぐ右隣に注目してください。ここにオレンジ色の「D」というマークが表示されている場合、それは「Delayed(遅延)」を意味します。

つまり、そのチャートは15分以上前の古い価格データを表示している、という警告です。一方で、この「D」マークが表示されていなければ、そのデータはリアルタイムです。

市場が開いている時間帯であれば、代わりに緑や青の小さな丸いアイコンが表示され、データがリアルタイムで供給されていることを示します。このアイコンの有無を確認するだけで、情報の鮮度を正確に把握することができます。

無料でリアルタイムデータが見られる市場

TradingViewでは、全ての市場データが遅延しているわけではありません。多くの市場では、無料プランのユーザーであっても、追加料金なしでリアルタイムの価格データを見ることができます。

その代表例が、ドル円やユーロドルといったFX(為替)市場です。また、ビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨市場も、ほとんどの取引所のデータがリアルタイムで提供されています。

さらに、米国のS&P500や日経225のような主要な株価指数も、多くがリアルタイムです。

これらの市場を中心に分析している方は、銘柄名の横に「D」マークが表示されることはほとんどなく、常に最新の価格で分析ができています。

データの遅延が主に問題となるのは、次の章で解説する、個別の株式銘柄のチャートを見る場合です。

データが遅延しやすい市場と、リアルタイム化が必要な人

前の章で解説した市場とは対照的に、データの遅延が問題となるのは、主に個別の株式銘柄のチャートを見る時です。東京証券取引所や米国のナスダック、ニューヨーク証券取引所など、世界中のほとんどの株式市場のデータは、無料版では15分程度遅れて表示されます。

では、この遅延データをリアルタイムにする必要があるのはどんな人でしょうか。それは、あなたの取引スタイルによって決まります。

もし、一日のうちに何度も売買するデイトレードや、数秒単位で取引するスキャルピングを行うのであれば、リアルタイムデータは必須です。古い価格では、正確な取引はできません。

一方で、数ヶ月から数年単位で投資する長期投資家であれば、15分の遅延は大きな問題になりません。日足や週足で分析するため、判断にほぼ影響がないからです。

株式市場のリアルタイムデータを追加購入する方法

株式のリアルタイムデータが必要な場合は、追加のデータ契約を行うことで、遅延をなくすことができます。

この手続きは、TradingViewの有料プランとは別に行います。まず、サインインした状態で、画面左上のプロフィールアイコンから「アカウントと支払い」ページへ移動します。

次に、「データを追加」のボタンを押し、購入可能なリアルタイムデータの一覧を表示させます。そこには、東京証券取引所やナスダックといった世界中の市場が、それぞれの月額料金と共にリストアップされています。

あなたが必要とする市場にチェックを入れ、支払いを完了してください。手続きが終わったら、チャート画面に戻り、ページを再読み込みします。

これで、銘柄名の横にあった「D」マークが消え、あなたのチャートはリアルタイムの価格を表示するようになります。

行動へのステップ

1.TradingViewのチャートを開き、FX(為替)の「USDJPY」を検索し、銘柄名の横に「D」マークがない(リアルタイムである)ことを確認しましょう。
2.次に、米国の株式「NYSE:KO」を検索し、銘柄名の横にオレンジ色の「D」マーク(遅延データである)が表示されることを確認しましょう。
3.ご自身の投資スタイルが、リアルタイムデータが必須な「短期売買」か、必須ではない「長期投資」かを考えましょう。
4.短期売買を行う場合は、プロフィール設定からリアルタイムデータの追加購入が可能であることを確認しておきましょう。
5.今後は、チャートを見る際に銘柄横の「D」マークの有無を常に確認し、情報の鮮度を意識する習慣をつけましょう。


   今すぐ無料でTradingViewを使ってみる

関連記事

【チャートギャラリー専用】各種銘柄データ

チャートギャラリー用データに最適化しています。ダウンロードしてチャートギャラリーに取り込めばすぐに使えます。

相場師朗先生の「技」銘柄検出データ【営業日毎日更新】

株式各種銘柄データ

株式ランキング銘柄データ【営業日毎日更新】